交通事故の基礎知識

交通事故の加害者に対して追求できる民事責任とは?

交通事故の被害者の方は,加害者に対して,民事上の法的責任を追求することができます。ここでは,この交通事故の加害者に対して追求できる民事責任についてご説明いたします。

(著者:弁護士 志賀 貴

交通事故加害者が負う法的責任

交通事故の加害者は,さまざまな法的責任を負うことになります。具体的には,刑事責任行政上の責任,民事責任があります。

刑事責任とは,要するに,自動車運転過失致死傷罪等の刑罰を科されるということです。また,行政上の責任としては,自動車運転免許の取り消し等があります。これらは,公益的な見地から課される法的責任ですから,交通事故の被害者ではあっても,自由にコントロールできる性質のものではありません。あくまで,国家機関が責任を課すべきか否か,どのような責任を課すかを判断することになります。

また,これらの法的責任が課されたとしても,当然に,被害者に生じた損失が填補されるわけではありません。

被害者の方が,交通事故によって被った被害を填補するためには,自ら,加害者に対して民事責任を追求していくことが必要となってきます。

>> 交通事故の加害者が負う法的責任

交通事故加害者が負う民事責任

それでは,加害者が負うこととなる民事責任とは何かといえば,それは「損害賠償責任」です。つまり,被害者等に対して,損害賠償をしなければならないという法的責任です。

法律上,損害賠償を支払わなければならない民事責任としては,債務不履行責任不法行為責任とがあります。

債務不履行責任とは,契約責任とも呼ばれるように,一定の契約関係に基づく義務を履行しなかった場合に生ずる法的責任のことをいいますが,交通事故の場合には,当然のことながら,被害者と加害者には契約関係などありません。

したがって,交通事故において加害者が負担すべき損害賠償責任とは,すなわち,「不法行為責任」(または不法行為の特別類型である「運行供用者責任」)に基づく損害賠償義務ということになります。

被害者の方の立場からみれば,被害者側は,加害者に対して,不法行為責任を追求し,それに基づく損害賠償を求めるということになります。

>> 交通事故加害者が民事責任を負う法的根拠

損害賠償の請求

被害者側としては,後遺障害が残るような場合であれば,金銭などではなく元の体に戻してほしいでしょうし,死亡事故であれば,亡くなられた方を返してほしいと考えるのは当然でしょう。しかし,残念ながら,現実的にはそのようなことは不可能です。

そのため,民法上,不法行為に基づく損害賠償は,原則として「金銭」によるものとされています(これを「金銭賠償の原則」といいます。)。

したがって,心情的に納得ができない部分もあるかもしれませんが,交通事故の場合においても,損害賠償は,損害賠償金という形で金銭によって支払われることになります。

したがって,被害者側としては,加害者に対して不法行為責任等を追求し,それに基づく損害賠償金の支払いを求めるという方法しかない以上,少しでも多くの賠償額を獲得して,それをもって損失を少しでも多く填補できるよう行動することになるでしょう。

>> 交通事故加害者が損害賠償責任を負う法的根拠とは?

ご予約

このページの先頭へ